読書感想

5時に帰るドイツ人、5時から頑張る日本人ー熊谷 徹【読書感想、レビュー】

2018年8月15日

働く世代にとって、健康と働き方は切っても切り離せないです。特に仕事を中心に生活を考える人が多い日本人にとっては、いくら日々の健康づくりを頑張っていたとしても、働き方自体が健康を害してしまう危険性もあります。

また、仕事ばかりしていては健康に対する意識が薄れます。健康づくりに充てる時間も必然的に少なくなるでしょう。実際に私自身も仕事が忙しかった時は、健康づくり充てる時間はほとんどなく、若さと気持ちだけで頑張っていました。そのしわ寄せは体調不良という形でたびたび出ていました。

働く世代にとっては、働き方を改善していくこと自体が健康づくりになるともいえるでしょう。健康づくりには欠かせない重要な部分ですので、働き方の本も積極的に読むようにしています。

『5時に帰るドイツ人、5時から頑張る日本人ー熊谷 徹』

今回はこの本。タイトルで買ってしまったところもあるような、キャッチーでわかりやすいタイトルです。

この本の中から私なりの気づきや共有したいことなどをお伝えしていきたいと思っています。

 

本の概要

日本やドイツ、先進諸国などの労働に関するデータを比べながら、働き方や考え方の違いを元に、これからの日本の働き方の方向性について書かれています。

著者はNHKの記者として8年間、ドイツで27年間働いており、それぞれの実体験も踏まえてその違いについて述べてる。会社というよりはお国柄の違いや歴史が大きく関与していることよくわかる。

基本はドイツや日本、先進諸国の労働に関する制度に関して対比する記載が多かったが、一個人としてそこに変化を加えることは難しいと感じたため、仕事に対する考え方の部分を中心に感想を書いてます。

制度の違いに対する内容も大変興味深いものですので、そこも含めて読みたいという方はぜひ本を手に取ってほしいと思います。

読書感想

集中力

「1日10時間以上働くと疲れて集中力が低下し、ミスが増えるので効率が悪い。早めに仕事を切り上げてリフレッシュし、翌日から仕事をしたほうが、はるかに効率的だ」

このように考えるドイツ人が多いと本書は述べています。

人間が十分に覚醒した状態で作業を行えるのは、起床後12~13時間が限界であると言われています。7時に起きる人なら、19時~20時くらいとなります。9~18時で働いている人であれば、10時間となると20時がボーダーラインになるので、理屈としても正しいと言えます。

さらに言えば、脳は午前中の方がより活性化しているため、作業を行うにも効率が良く、想像力も働くわけです。

自身の体験から、長く働くことで集中力が低下していくことがわかっている人も多いでしょう。集中力が低下すれば、ミスも増えますし、効率も悪いですよね。

長時間残業してしまう人には、ダラダラと残業してしまう方も多くいます。ダラダラ残業をしてしまう人は、お尻の時間を決めて、その時間までに出来ることをやるようにしましょう。お尻の時間を決めずに、やることを決めて取り組むと、それが終わるまで帰れません。段々と集中力は切れていきますので、時間がたつほどに効率も悪くなり、終わる時間が遅くなっていくわけです。

また、仕事の優先順位をしっかりとつけましょう。ToDoリストなど活用できていますでしょうか。その日やらなくていいことは、わざわざ集中力が切れる残業時間にやるのではなく、翌日以降にまわしていきます。そのあたりの割り切りも必要ですね。

 

仕事のメール

過剰な社内メールは労働生産性を低くする

メールでのやり取りが多く、仕事の多くをメールの確認や返信に充てている人もいるはずです。メールでのやり取りが多いと、ついつい休みの日や退社後でもメールを確認してしまう人もいるでしょう。

しかし、これでは退社後や休暇中もリフレッシュできないですよね。ドイツでは、休暇中はもちろんのこと、退社後のメールへのアクセスを遮断することもあるそうです。

メールを送る際には、長々と書かずに、相手に負担をかけなように要点を絞ること。また、何でもCCをつけてメールを一斉送信すると、関係の薄い人もメールを確認しなければならないので、やめた方がいいでしょう。これを例えば部署内で決めて実施するだけでも無駄なやり取りは減ります。

メールの確認、返信の時間をほかの仕事の時間に充てられることで、残業も減って生産性も上がるのではないでしょうか。

 

木を見て森を見ず

物事の一部や細部ばかりに気を取られて、全体を見失うことを意味することわざです。

日本人は製品やサービスの水準を高めるという細部(木)にこだわるあまり、健康的で幸せな生活を送るという労働本来の目的(森)を見失っているのではないか。

仕事に必死になるあまり、上記のような状態になってしまう人も多いのではないでしょうか。今一度何のために仕事をしているのか考え、それが達成できているか確認してみましょう。それがわかれば、自分がこれからどうしていった方が幸せな生活になっていくかも見えてくるはずです。

私は仕事は幸せに暮らすための手段だと考えています。その手段を選んだがゆえに、健康を害したり、家族との時間がおろそかになってしまっては、元も子もありませんよね。あなた自身の仕事の位置づけ改めて見直してみるのもいいかもしれません。

 

まとめ

健康づくりには生活習慣をより良くしていくことが重要です。働く世代にとって生活の大部分を占めるのは仕事ですので、健康的になりたい人にとって働き方を見直していくことは必須といえるでしょう。

ドイツと日本では労働に関する制度が大きく異なるため、ドイツ人と全く同じような働き方は難しいでしょう。ただ、ドイツ人の仕事に対する考え方や取り組み方から学び、自身の働き方に活かしていくことは可能です。

自身の働き方を見直してみようかなと感じた方は、読んでみると価値観が変えてくれるかもしれませんね。

 

以上、「5時に帰るドイツ人、5時から頑張る日本人ー熊谷 徹【読書感想、レビュー】」でした。

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